【 雨 】 【 潤す 】 【 立ちのぼる 】 ■ 潤すの章
季語 1 水ぬるむみずぬるむ
なかなかこなかった春なのに、ある日を境に一気に陽気立つ。 水までもあたたかくなった気がして、水ぬるむ、ぬるむ水、ぬるむ沼、ぬるむ池などと表現する。
季語 2 水の春みずのはる
冬枯れの川に水が戻り、水の春は喜びの風景 。
季語 3 玉響たまゆら たまゆらのもとの意は、玉が触れ合うときのかすかな様子を言った。 ほんのわずかな間という意味もあり、はかなさ、かすかさを表す。
季語 4 花の露はなのつゆ 露は玉水とも呼ばれる。。 それが花びらの上にとどまり、光をためているさまは絶品です。 花の露は昆虫たちのために用意された自然の飲み物です。
季語 5 山の雫やまのしずく 山の草木から落ちる水滴は雫で、山の雫という表現で詩歌に詠まれます。 山の下草に置く露は山下露、また岩肌を伝わって落ちる水は滴りと表現します。
季語 6 清水しみず 清水は凍水から転じたとも言われます。 澄んだ水の意で汚れなき湧き水を言う。
>季語 7 水影みずかげ 水面に映る物の影はどこかさみし気。 地上にあるそれと同じ形でありながら、風が吹けばゆらぎ、日が陰ればさっと雲る。 また水面から反射した光が、水際の草などに当たっていることなどを言う。
季語 8 水の綾みずのあや 静まりかえった水面が風などでると、小さな水のひだが生まれるのを水の綾と言う。 魚の浮沈や蛙の出入りなど、水はなにものも受け入れて、笑顔のように波紋で答える
季語 9 山紫水明さんしすいめい 日が当たって山が紫に見え、水が清らかに澄んでいることを言う。
季語 10 水澄むみずすむ 涼気が走る秋の大気は、肅として水まで透きとおらせる。 水澄むは秋の風情である。
季語 11 水鏡みずかがみ しずかな水面は空を映す。 空を映し、樹木を写す。世界は天地の二つの絵となり、さながら鏡のようになる。
季語 12 露取草つゆとりぐさ サトイモを言う。 葉には柔かい毛が生えていて、大きな露が玉のようにころがる。
季語 13 瀬見せみ 川のそこが見えるほどの浅い川を言う。 透明な光景は、山や原野でしか見られなくなった。
季語 14 早瀬はやせ 早瀬は急流を言う。 「あっ」と声をあげる間もないほど、人も、舟も、木や石が運び去られるさま
季語 15 石走るいしばしる 走る水流が勢いよく岩に当たってしぶきをあげるさまを言う。
季語 16 勝り水まさりみず 雨などで川の水が増すことを言う。 増水とも書く、決壊を防ぐため土嚢を盛って寝ずの警戒をする。
季語 17 夏川なつかわ 夏の川は開放的である。 キャンプに水遊びに、完成がこだまして、せせらぎも急流も滝の音さえもかき消されそうです。
季語 18 川逍遥かわしょうよう 川辺の散策を言う。 川辺の変化は季節を映し、四季折々の手紙を読むようです。
季語 19 水田明かりすいでんあかり 田に水が入り日が落ちると、水の張った田はいくつもの鏡になり、月の光と共振する。
季語 20 水簾すいれん 滝つぼには滝の主がすんでいると言われた。 水簾は滝の簾に見立てたことば。