ロシア・カムチャッカから


2020年2月4日、ロシア・カムチャッカからユーラ・グラシモス博士が稲波干拓の観察小屋を訪れました。

当会の顧問で雁の里親の会を主催する池内俊雄さんの通訳で、ユーラ・グラシモス博士がカムチャッカにおける雁の調査研究の現状について話していただきました。
現地で撮影した写真や資料を持参し、亜種ヒシクイや亜種オオヒシクイの生息地を現地調査した模様や繁殖の状況を紹介してくれました。
生息地に入るには道路がないので、ヘリコプターやボート、キャタピラー走行車等を乗り継ぎ、テント生活をしながらの調査であることや、クマと遭遇することもあり、調査には常に危険が伴うこともあると話してくれました。
繁殖地では、今まで解明できなかったオオヒシクイの巣や卵、オオヒシクイが水辺でヒナを連れた親子等の貴重な写真撮影に成功し、生態を明らかにしました。

亜種オオヒシクイは増加傾向に有り、亜種ヒシクイは現状維持だそうだ。ロシアは2006年に亜種オオヒシクイを保護鳥に指定したが亜種ヒシクイは保護の対象にはなっていない。
今年、オオヒシクイに赤環、ヒシクイは白環の首環標識を付け調査を行うそうです。

店内

ユーラ・グラシモス博士の経歴

YURY GERASIMOV
ロシア科学アカデミー 極東支部
カムチャッカ 太平洋地理学研究所
上席研究員(博士)