音楽ってな〜んだ


     音楽という言葉は



音楽という言葉は、むかし東洋では、人の声や楽器で奏でる美しい調べなどをあらわすのに、広くもちいられました。
仏教では経典の朗読や儀式に伴う調べや、仏教の真理の美しさを音であらわしたものを、音楽といいました。
西洋では、英語のミュージックという言葉から知られるように、ギリシャ神話の女神ミューズ(ギリシャ語でムーサイ)に由来した言葉です。
ミューズはゼウス神の9人の娘たちの名で、それぞれ、音楽ばかりでなく、舞踊、、文学、歴史、哲学、天文学などのあらゆる芸術、学問の神であるとされていました。
しだいに音楽だけがミューズの名を独占するようになったのです。



音楽の三要素

音楽は音からできていますが、ただ音を鳴らすだけでは、美しいとは感じません。
なにが足りないのでしょうか。
楽しい曲や美しい曲を聴いたとき、思わず「はずんだようなリズム」「きれいなメロディー」「ハーモニーが美しい」等と感じたときがありませんか。
リズム・メロディー・ハーモニーは音楽をなりたたせている「音楽の三要素」といいます。

  • リズム(律動)
    • 長い音と短い音、強い音と弱い音などが続きながら流れていくと、組み合わせによってまとまりが生まれます。
      それをリズムといいます。
      リズムはほかの要素とくらべ、その曲の感じをきめるはたらきが大変強く、リズムだけでも、音楽的表現をある程度までできます。
      ある民族音楽には、メロディーやハーモニーをもたないものもあります。
      リズムをもたないものはありません。

  • メロディー(旋律)
    • 色々な高さの音が、つづきながらリズムにのって流れていくと、メロディーができます。
      つまりリズムがなければメロディーはうまれません。
      また、どこの国の音楽でも、その始まりは言葉の抑揚からメロディーがうまれたといわれています。

  • ハーモニー(和声)
    • 二つ以上のちがうメロディーが重なって流れていくとき、高さのちがう音が同時に鳴って和音がうまれ、その和音がつながってながれていきます。
      そこに豊かなハーモニーがうまれます。



曲の速さや感じを示す記号と標語

音楽には、いろいろな記号や標語がありますが、そのほとんどにイタリア語が使われています。
最近では、日本語・フランス語・ドイツ語など、自分の国の言葉も使われるようになりました。 速度記号には、速さを正確に示すメトロノーム記号がありますが、速度標語はおおまかな速さを示すもので、曲全体の速さを示すものと、曲の途中のある部分の速さを示すものがあります。
曲の感じをより豊かに表現するのに使われる、発想記号や発想標語があります。
記号や標語の意味と曲の感じが、うまくつながるようになるには、いろいろな音楽を沢山聴くことが大切です。

  • 速度標語

    • 曲全体の速さを示すもの
      速度標語読み方意味
      Largoラルゴ幅広くゆるやかに
      Lentoレントゆるやかに
      Adagioアダージョゆるやかに
      Andanteアンダンテ歩くような速さで
      Andanteinoアンダンティーノアンダンテよりやや速く
      Moderatoモデラートほどよい速さで
      Allegrettoアレグレットアレグロよりやや遅く
      Allegreoアレグロ軽快に

    • 曲の一部の速さを示すもの
      速度標語読み方意味
      ritardandoリタルダンドだんだんゆっくり
      rallentendoラレンタンドだんだんおそく
      ritenutoリテヌートそこから急におそく
      accelerandoアチェレランドだんだん速く
      stringendoストリジェンド急いで
      a tenpoア−テンポもとの速さに戻る
      Tempo primoテンポ−プリモ最初の速さに戻る


  • 発想標語
    • 感じを示す
      発想標語読み方意味        
      brillanteブリランチはなやかに
      con brioコン-ブリオいきいきと
      cantabileカンタービレ歌うように
      dolceドルチェやわらかに
      legatoレガートなめらかに
      leggieroレィジェーロ軽快に
      marcatoマルカーノはぎれよく