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かつて、関東地方は日本最大のガン類の越冬地でした。
しかし１９３０年代に入ると、もはや東京でヒシクイの姿は見られず、１９６７年に東京湾でマガンが観察されたのを最後に、東京でガン類が越冬することはなくなってしまいました。
現在では、毎年オオヒシクイやヒシクイの群れが確認されているのは、関東地方では稲波干拓地だけです。
◆稲波干拓地
霞ヶ浦江戸崎入干拓地（通称稲波干拓地）は茨城県南部の稲敷市の東北、霞ヶ浦の南岸の江戸崎地区と桜川地区の境にあります。
この地方は、関東有数の穀倉地帯と呼ばれています。
◆稲波干拓地の今と昔
現在オオヒシクイがエサ場にしている水田は、戦前は広い湿地帯で、多くのガン、カモが渡来していました。
１９３９年に江戸崎入干拓事業が始まり１９５７年に完成しました。
平成１５年現在の面積は２２６haあり、障害物がほとんどないので、飛翔への障害が少なく、また見通しがよいので安心して採餌・休息することが出来ます。
◆オオヒシクイはどこにいるの？
平成３年からの調査では、オオヒシクイの生活場所は、稲波干拓地・霞ヶ浦・小野川および小野川旧河道です。
しかし、近年の利用場所は稲波干拓地と鹿島灘の２箇所だけが確認された場所になりました。
オオヒシクイは朝から夕方までの９割の時間を稲波干拓地で過ごし、エサを食べたり休んだりしています。
また稲波干拓地の中でも、特定の水田によく降りる傾向があります。
◆稲波干拓地のくらし
稲波干拓地でのんびりと暮らすオオヒシクイ。
しかし、時には心無いカメラマンに驚かされたり、犬に追われたり、危険を感じることもあります。
そんな時、オオヒシクイは稲波干拓から３０ｋｍ離れた鹿島灘の海に避難します。
◆オオヒシクイ確認記録 １９８５年〜
まとまった数のオオヒシクイが、初めて確認されたのは、１９８５年２月（それより前は１、２羽の飛来情報あり）。以来、毎冬およそ１１月から翌年２月から３月上旬にかけて北へ帰って行きます。
また１９９４年２月、１９９６年２月、２００５年以降もたびたびマガンも訪れています。
各冬の初確認日 |
各冬の最終確認日 |
最大羽数 |
特 記 |
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1985年2月11日 |
1985年2月12日 |
34羽 |
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1985年12月15日 |
1986年1月24日 |
50羽 |
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1987年1月13日 |
1988年2月22日 |
55羽 |
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1988年1月15日 |
1988年2月11日 |
44羽 |
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1988年12月27日 |
1989年2月19日 |
55羽 |
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1989年12月7日 |
1990年2月22日 |
50羽 |
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1990年2月11日 |
1991年3月3日 |
50羽 |
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1991年12月2日 |
1992年2月28日 |
50羽 |
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1992年11月24日 |
1993年3月5日 |
55羽 |
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1993年11月17日 |
1994年2月27日 |
58羽 |
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1994年11月14日 |
1995年3月14日 |
60羽 |
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1995年11月12日 |
1996年3月18日 |
75羽 |
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1996年11月13日 |
1997年3月22日 |
77羽 |
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1997年11月10日 |
1998年3月4日 |
73羽 |
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1998年11月7日 |
1999年3月24日 |
64羽 |
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1999年11月10日 |
2000年3月18日 |
52羽 |
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2000年11月6日 |
2001年3月14日 |
50羽 |
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2001年11月8日 |
2002年3月5日 |
64羽 |
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2002年10月24日 |
2003年3月20日 |
52羽 |
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2003年11月7日 |
2004年3月10日 |
56羽 |
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2004年11月7日 |
2005年3月7日 |
59羽 |
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2005年11月11日 |
2006年3月4日 |
80羽 |
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2006年11月13日 |
2007年2月27日 |
63羽 |
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2007年11月10日 |
2008年3月6日 |
66羽 |
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2008年11月11日 |
2009年3月4日 |
56羽 |
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2009年10月11日 |
2010年3月11日 |
67羽 |
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2010年11月12日 |
2011年2月27日 |
72羽 |
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2011年10月25日 |
2012年3月10日 |
87羽 |
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2012年11月2日 |
2013年3月3日 |
85羽 |
1月19日、1月30日一時的に102羽に |
2013年10月18日 |
2014年3月7日 |
91羽 |
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2014年10月20日 |
2015年3月1日 |
124羽 |
記録を取り始めて最大越冬数 |
2015年11月5日 |
2016年3月15日 |
135羽 |
越冬数記録更新 |
2016年10月8日 |
2017年3月4日 |
131羽 |
最も早い初認日記録・他にマガン２ |
2017年11月10日 |
2018年3月2日 |
124羽 |
他にマガン２羽 |
2018年11月3日 |
2019年2月24日 |
132羽 |
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2019年11月3日 |
2020年3月3日 |
189羽 |
記録を取り始めて最大越冬数、他にマガン１羽 |
2020年11月6日 |
2021年2月21日 |
207羽 |
最大越冬数更新 |
2021年11月21日 |
2022年2月28日 |
215羽 |
最大越冬数更新 他にマガン１羽 |
2022年12月3日 |
2023年3月5日 |
162羽 |
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2023年12月2日 |
2024年2月12日 |
103羽 |
越冬期間が最も短い |
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